動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」では、プロジェクトの解像度設定が非常に重要です。解像度を適切に設定することで、再生時の画質やファイルサイズ、納品先での表示品質が大きく変わってきます。
この記事では、Premiere Proでの解像度変更について、以下の3つの視点から詳しく・わかりやすく解説します。
目次
- 解像度とは?動画編集における基本知識
- 解像度を変更すべきタイミングと目的
- 【方法①】シーケンスの解像度を変更する
- 【方法②】書き出し時に解像度を変更する
- よくあるミスとトラブル対処法
- 用途別おすすめ解像度一覧
- まとめ
1. 解像度とは?動画編集における基本知識
解像度とは、画面上のピクセル数(横 × 縦)を示すもので、動画の「きめ細かさ」や「サイズ感」を決定する要素です。
解像度 | ピクセル数 | 用途例 |
---|---|---|
4K(UHD) | 3840 × 2160 | 映画・高品質CM・YouTube 4K |
フルHD | 1920 × 1080 | 一般的なYouTube、WEB配信 |
HD | 1280 × 720 | スマホ向け動画、SNS投稿 |
SD | 720 × 480 | DVD画質、古いテレビ |
Premiere Proでは、解像度が「シーケンス」と「書き出し設定」の2か所で重要になります。どちらかだけ変えても、意図通りの動画にならないことがあります。
2. 解像度を変更すべきタイミングと目的
解像度の変更は、以下のような目的で行います:
- 納品先の指定がある場合(例:YouTubeは16:9、Instagramは1:1や9:16)
- 画質を落として軽くしたい場合(スマホ配信用など)
- 高画質の元動画を低解像度で出力してサンプル用に使いたい
- 動画を縦型にしたい(TikTokやInstagramリール向け)
3. 【方法①】シーケンスの解像度を変更する方法
使う場面:
- 編集前に解像度を正しく設定したい
- 編集途中にサイズを変更したい(再構成も必要)
手順:
- メニューバーから
シーケンス
→シーケンス設定
- 「編集モード」:任意で設定(カスタムでもOK)
- 「フレームサイズ」で 横 × 縦 の解像度を変更
- OKをクリック
ワンポイント:
- すでにタイムラインにクリップを置いていた場合、比率が合わず「余白」や「はみ出し」が出ることがあります。
→ 対処法:クリップを右クリックして「フレームサイズに合わせる」
4. 【方法②】書き出し時に解像度を変更する方法
使う場面:
- 編集はフルHDや4Kで行い、書き出しだけ別サイズにしたい
- 複数サイズで納品が必要なとき
手順:
- メニューから
ファイル
→書き出し
→メディア
- 書き出し形式を選択(例:H.264)
- 「ビデオ」タブを開き、「基本ビデオ設定」の「幅」と「高さ」を希望の解像度に変更
- 「書き出し」または「Adobe Media Encoderに送信」
よくある例:
- フルHD → 720pへ書き出し:1920 × 1080 → 1280 × 720
- 横動画 → 縦動画に変更:1920 × 1080 → 1080 × 1920(SNS用)
5. よくあるミスとトラブル対処法
トラブル | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
画面がはみ出す | シーケンスとクリップの解像度が不一致 | 「フレームサイズに合わせる」または手動スケール調整 |
自動再生されない(Web用動画) | 書き出し時の設定ミス | Web用のプリセットを使う/ビットレートを調整する |
動画が縦なのに黒帯が入る | 書き出し解像度が横向き設定のまま | 解像度の縦横を正しく指定(例:1080 × 1920) |
6. 用途別:おすすめの解像度・アスペクト比
使用媒体 | 解像度 | アスペクト比 |
---|---|---|
YouTube(HD) | 1920 × 1080 | 16:9 |
Instagramフィード | 1080 × 1080 | 1:1 |
Instagramリール・ストーリー | 1080 × 1920 | 9:16 |
TikTok | 1080 × 1920 | 9:16 |
Web広告バナー動画 | 1280 × 720 | 16:9 または媒体指定 |
7. まとめ
Premiere Proでは、動画の解像度を 編集中のシーケンスと書き出し設定の両方から調整できます。
解像度変更の目的 | 方法 |
---|---|
編集サイズそのものを変えたい | シーケンス設定を変更 |
納品・書き出し用にサイズを変えたい | 書き出し時のビデオ設定を変更 |
特にSNSやWeb媒体向けの動画では、**最適な解像度とアスペクト比の設定がクオリティを左右します。**事前に媒体の仕様を確認し、適切なサイズでの制作・書き出しを心がけましょう。