はじめに
WordPressのカスタマイズやプラグインの導入を行う際、本番環境で直接作業すると、サイトが正常に動作しなくなるリスクがあります。そこで、テスト環境を用意して安全に変更を加えることが推奨されます。本記事では、WordPressのテスト環境を用意する方法と、そのメリット・デメリットについて解説します。
WordPressのテスト環境を作る方法
テスト環境を構築する方法は大きく分けて3つあります。
1. ローカル環境で構築する
パソコン上にWordPressのテスト環境を作成する方法です。 使用するツールの例
- Local by Flywheel
- XAMPP
- MAMP
- Docker
手順
- ツールをダウンロードしてインストール
- ツールを起動し、新規環境を作成
- WordPressの新規インストールを選択
- データベースを自動作成する
- WordPressの管理画面にログイン
- インストール時に設定したユーザー名とパスワードでログイン
- 本番環境と同じテーマやプラグインを適用
- テスト環境でカスタマイズ・検証
- 動作確認後、問題なければ本番環境に反映
メリット
- 無料で使える
- インターネット接続が不要
- 作業の自由度が高い
デメリット
- サーバー環境と異なるため、本番環境で問題が発生する可能性がある
- 他の人と共有ができない
2. サブドメインやサブディレクトリで構築する
本番環境と同じサーバー上にテスト用のWordPressを設置する方法です。
手順
- サーバーの管理画面にログイン(cPanelやPleskなど)
- サブドメインまたはサブディレクトリを作成
- 例:
test.example.com
(サブドメイン)またはexample.com/test
(サブディレクトリ)
- 例:
- WordPressを新規インストール
- 自動インストールツール(Softaculousなど)を利用
- または手動でWordPressをアップロードし、データベースを設定
- 本番環境のデータを複製(プラグイン例: All-in-One WP Migration, Duplicator)
- テスト環境で検証後、本番環境へ反映
メリット
- 本番環境と同じサーバーなので動作の違いが少ない
- テスト後の移行が容易
デメリット
- サーバーのリソースを消費する
- 誤って本番環境に影響を与える可能性がある
3. ステージング環境を利用する
レンタルサーバーの提供する「ステージング環境」を活用する方法です。
手順
- ステージング機能があるレンタルサーバーを選ぶ
- 例: エックスサーバー、ConoHa WING
- サーバーの管理画面でステージング環境を作成
- ワンクリックでステージングサイトを作成できる機能を利用
- 本番環境のデータをコピーして検証
- 自動で同期される機能を利用
- 動作確認後、本番環境に反映
- 本番環境へ簡単に適用可能
メリット
- 本番環境とほぼ同じ環境でテストが可能
- サーバー側で簡単に管理できる
デメリット
- サーバーの料金がかかる場合がある
- ステージング機能がないサーバーでは利用不可
まとめ
WordPressのテスト環境を用意することで、サイトの安全性を確保しながら開発やカスタマイズが行えます。以下の基準で環境を選ぶと良いでしょう。
- ローカル環境:個人でテストしたい場合
- サブドメイン/サブディレクトリ:本番環境と近い条件で検証したい場合
- ステージング環境:レンタルサーバーの機能を活用したい場合
用途に応じた方法を選び、安全な運用を心がけましょう。