WordPressは、セキュリティや機能改善のために定期的にアップデートを行いますが、時にはメジャーアップデート(大きなバージョンアップ)がサイトに予期しない影響を与えることがあります。一方で、マイナーアップデート(バグ修正やセキュリティパッチ)は非常に重要で、これを無効化するのは避けたいと考えるユーザーも多いでしょう。
この記事では、WordPressでメジャーアップデートのみを無効化し、マイナーアップデートは有効にする方法について説明します。
1. メジャーアップデートとマイナーアップデートの違い
- メジャーアップデート: 新機能の追加や大規模な変更が含まれる更新です(例: WordPress 5.8から5.9へのアップデート)。
- マイナーアップデート: バグ修正やセキュリティパッチが適用される更新です(例: WordPress 5.9.1から5.9.2へのアップデート)。
メジャーアップデートは、新しい機能が追加される一方で、既存のテーマやプラグインとの互換性に問題が生じる場合があります。これに対して、マイナーアップデートは主にセキュリティとパフォーマンスの改善を目的としています。
2. メジャーアップデートを無効化し、マイナーアップデートを有効にする方法
(1) wp-config.php ファイルで設定
WordPressの設定ファイルである wp-config.php
を編集して、メジャーアップデートを無効化し、マイナーアップデートは引き続き有効にすることができます。
- wp-config.php ファイルを開く
FTPクライアントやホスティングのファイルマネージャーを使って、WordPressインストールディレクトリのwp-config.php
ファイルを開きます。 - コードを追加する
wp-config.php
ファイルの中で、/* That's all, stop editing! Happy publishing. */
の直前に次のコードを追加します:phpコードをコピーする// メジャーアップデートを無効化 define( 'WP_AUTO_UPDATE_CORE', 'minor' );
これにより、WordPressのメジャーアップデートは無効化され、マイナーアップデート(セキュリティやバグ修正)は引き続き自動でインストールされます。define( 'WP_AUTO_UPDATE_CORE', 'minor' );
は、メジャーアップデートを無効化し、マイナーアップデートを有効にする設定です。WP_AUTO_UPDATE_CORE
の他のオプションには、true
(すべての自動更新を有効)、false
(すべての自動更新を無効)もあります。
(2) プラグインを使用して制御する
もし、コード編集が苦手な場合や、より柔軟な制御を行いたい場合は、プラグインを利用する方法もあります。特に「Easy Updates Manager」というプラグインは、WordPressの更新設定を詳細にカスタマイズすることができ、メジャーアップデートとマイナーアップデートを個別に制御することができます。
- Easy Updates Managerをインストールする
WordPressの管理画面から「プラグイン」 > 「新規追加」を選択し、「Easy Updates Manager」を検索してインストールします。 - プラグインの設定を行う
インストール後、「ダッシュボード」 > 「更新管理」の設定画面に移動します。ここで、次のように設定します:- コア更新: 「セキュリティとバグ修正のみ」を選択します。
- これにより、メジャーアップデートは無効化され、セキュリティやバグ修正を含むマイナーアップデートのみが自動で適用されます。
3. 注意点とおすすめ
自動更新を無効化する理由
- カスタマイズの保護: 特にカスタマイズされたテーマやプラグインを使用している場合、メジャーアップデートが意図しない動作を引き起こすことがあります。これにより、サイトが壊れるリスクを避けることができます。
- サイトの安定性: 新しいメジャーアップデートが原因で発生する不具合を回避することができます。
マイナーアップデートは重要
- セキュリティ: WordPressのセキュリティに関する更新(マイナーアップデート)は、非常に重要です。これを無効化すると、ハッキングや悪意のある攻撃に対して脆弱になります。
- パフォーマンス向上: マイナーアップデートには、パフォーマンスや安定性の改善が含まれることがあります。これを無効化するのはおすすめできません。
したがって、メジャーアップデートのみを無効化し、マイナーアップデートは必ず有効にしておくことが推奨されます。
4. まとめ
WordPressのメジャーアップデートを無効化し、マイナーアップデートを有効にする設定は、wp-config.php
ファイルを編集するか、「Easy Updates Manager」などのプラグインを使うことで簡単に実現できます。これにより、サイトの安定性を保ちながら、セキュリティやバグ修正を受け取ることができます。
自動更新を適切に管理し、サイトのセキュリティを確保しましょう。